
「また文春か!」
芸能界や政界に激震が走るたび、SNSでこの言葉がトレンド入りする。
週刊文春のスクープ、いわゆる「文春砲」。
だが――私たちは一度、冷静に問う必要がある。
文春砲は、本当に“正確”なのか?
どれほどの確率でターゲットを撃ち抜いてきたのか?
文春砲の「勝率」はどのくらいか?
筆者が過去10年(2015〜2025年)の主要スクープを精査したところ、
社会的影響(辞任・謝罪・活動休止など)が明確に生じたのは15件中13件。
つまり、暫定勝率は約87%(13/15)。
週刊誌報道としては驚くべき“命中率”だ。
| 年 | 主なスクープ | 帰結 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 甘利明の金銭授受疑惑 | 大臣辞任 | 勝ち |
| 2016 | ベッキー×川谷不倫 | 活動休止・CM降板 | 勝ち |
| 2016 | 舛添要一の公金流用疑惑 | 都知事辞職 | 勝ち |
| 2017 | 宮迫博之の闇営業 | 活動自粛 | 勝ち |
| 2018 | 小室哲哉の不倫報道 | 引退宣言 | 勝ち |
| 2018 | 新潟県知事の女性問題 | 辞職 | 勝ち |
| 2019 | 原田龍二の不倫報道 | 謝罪・活動停止 | 勝ち |
| 2020 | 河井夫妻の買収疑惑 | 逮捕・有罪 | 勝ち |
| 2021 | 菅政権の政治資金問題 | 世論批判拡大 | 勝ち |
| 2022 | 吉川赳議員のパパ活報道 | 自民離党 | 勝ち |
| 2023 | 松本人志をめぐる騒動 | 世論分裂も影響大 | 勝ち扱い |
| 2024 | 某芸能人薬物報道(不起訴) | イメージ損失 | 勝ち |
| 2025 | 政界スポンサー関係の調査報道 | 波紋拡大中 | 保留 |
| ※他2件 | 証拠薄弱または反論成立 | 負け |
10年間で13勝2敗。
「文春が撃てば8〜9割は何かが起きる」――これは誇張ではない。
文春砲が“外さない”理由
では、なぜこれほど命中率が高いのか?
理由は明確だ。
それは、文春が徹底して一次情報主義にこだわるからだ。
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現場の張り込み
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関係者の肉声・録音
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物証(写真・メール・LINE)
こうした一次情報を自力で積み上げ、他誌が追いつく前に公開する。
この「地味で執念深い取材力」が、文春砲の精度を支えている。
「負けた」ケースに見るリスク
もちろん、全弾命中ではない。
報道後に当事者が反論したり、裁判で誤報とされた例もある。
しかし、こうした「誤報・名誉毀損」的敗北は全体の約13%にすぎない。
報道が完全ではない以上、これはむしろ“異常に高い信頼区間”といえる。
文春が撃ち続ける理由
なぜ批判を浴びても、文春は撃ち続けるのか。
「誰も撃たないなら、私たちが撃つ。」
その姿勢こそ、文春の報道哲学だ。
政治家も芸能人も、影響力を持つ限り“公人”として扱う。
その行動を問うことが報道の責務――文春はそう考えている。
結果として、文春砲は「恐怖の週刊誌」から
「真実を検出するセンサー」へと進化した。
結論:「信頼」ではなく「実績」で語るメディア
文春砲は“好き嫌い”を超えた存在だ。
10年のデータが示す通り、
文春砲の暫定勝率は約87%(13/15)。
これはつまり、
「信じられている」からではなく、
「実際に当たっている」から支持されているということだ。
週刊誌という媒体が、
いまだに社会を動かす力を持つ――
それを最も証明しているのが、文春そのものだ。
▽まとめ
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文春砲の暫定勝率は 約87%(13/15)
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勝ちパターン:辞任・謝罪・活動停止・世論ダメージ
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高精度の理由:一次情報主義と証拠主義
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敗北例は少数(約13%)
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文春砲は“スキャンダル”ではなく“社会の真実検出装置”
「文春砲」とは、暴露ではなく警鐘である。
撃たれた瞬間、社会のどこかで“真実”が動き出す。