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茂木健一郎が語る「生きがい」の力|宮崎駿・イチローに学ぶ、人生を豊かにする秘訣

結局一番いいものは、作る人が生きがいを感じてできるもの(イメージ)

脳科学者・茂木健一郎氏が語る「生きがいで生み出された作品こそ人に喜びを与える」という言葉には、私たちの生き方そのものに深く問いかける、普遍的な真実が宿っています。それは、特定の分野を超えて、人が心から情熱を注いだものは、必ず受け手の心に火を灯し、新たな生きる力となるという力強いメッセージです。茂木氏の言葉を引用しながら、その核心を紐解いていきましょう。

 


 

報酬を超えた「喜び」が、心を動かす作品を生み出す

茂木氏は、宮崎駿監督の創作活動を間近で見て、真の創造性の源がどこにあるのかを語っています。それは、外的な評価や報酬を目的とするものではなく、自身の内側から湧き出る「喜び」です。

「宮崎さんの絵コンテを描く姿を見て、本当に生きがいを感じていらっしゃると実感しました。めんどくさいなと言いつつも、何百枚、何千枚も描き上げるその姿に、収入やアカデミー賞のためではない“喜び”があるんです」

そして、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの視点と、宮崎監督の創作の源泉を対比させ、この点をさらに明確にしています。

「プロデューサーとして興行収入やアカデミー賞を考えるのは当然の仕事ですが、宮崎さんご本人はあくまで生きがいに突き動かされて絵コンテを描いています」

この言葉は、真の創造性の源が、外的な報酬や評価ではなく、自身の内側から湧き出る「生きがい」という情熱であることを教えてくれます。ポケモンやスーパーマリオブラザーズといった世界的に愛される作品も同様です。作り手たちは、最初からビジネスの成功を目指していたのではなく、子供時代の夢や生きがいを作品に表現したいと願ったのです。だからこそ、言語や文化の壁を超えて、世界中の人々に受け入れられたのでしょう。

 


 

情熱は受け手に伝わり、生きる力となる

茂木氏の言葉の核心は、この情熱が単なる一過性の感動で終わらないことにあります。

「結局一番いいものは、作る人が生きがいを感じてできるもので、それは受け手にも必ず伝わる」

そして、その影響は、受け手の心に火を灯し、新たな「生きがい」へとつながっていくという、感動的な連鎖を生み出します。

「生きがいを持った作り手の生み出すものが、また受け手にも生きがいを与える」

この言葉を体現する人物は、クリエイティブな分野以外にも数多く存在します。

たとえば、元プロ野球選手であるイチロー氏。彼は、野球というスポーツへの尽きることのない情熱を、日々の練習やプレイを通じて体現しました。彼のストイックなまでの姿勢、常に高みを目指す生き様は、多くの人々に感動と勇気を与えました。それは単なるスポーツの成功物語ではなく、「自分の限界に挑戦することの尊さ」を私たちに教えてくれる物語でした。彼に触発され、「自分も諦めかけていた夢をもう一度追いかけよう」と、新たな生きがいを見つけた人は少なくないでしょう。

また、ノーベル賞を受賞した研究者山中伸弥氏の活動も同様です。「難病で苦しむ人々を救いたい」という切なる願いは、彼にとっての研究への尽きることのない「生きがい」でした。その情熱が、iPS細胞という偉大な成果を生み出し、多くの患者とその家族に希望の光を灯しました。これは、科学という分野の成果が、人々の生きる力そのものになった瞬間であり、彼の魂が、絶望の中にいた人々の心を奮い立たせた証拠です。

 


 

あなたの「生きがい」が、誰かの喜びになる

茂木氏の言葉は、私たち一人ひとりの生き方に対する力強い問いかけです。

「生きがい」は、決して特別な人にだけ与えられたものではありません。それは、私たちの日常の中にこそ隠されています。朝早くから情熱を込めてパンを焼く近所のパン屋さん。生徒一人ひとりの個性に真剣に向き合う学校の先生。彼らが日々情熱を注ぐ姿は、私たちに「今日も頑張ろう」という静かな勇気を与えてくれます。

私たちの「生きがい」は、誰かの心を動かし、喜びを与える力となります。それは、料理を作る喜びかもしれないし、誰かの話を丁寧に聞くことかもしれません。どんなささやかなことでも、そこに心からの情熱が込められていれば、それは必ず誰かの心に届きます。

では、どうすれば自分の「生きがい」を見つけられるのでしょうか。

それは、まず「好き」や「楽しい」という純粋な感情に耳を傾けることです。そして、その感情を大切にすることから始まります。茂木氏の言葉を胸に、私たち一人ひとりが自身の「生きがい」を見つめ直し、情熱を持って生きることで、そのエネルギーが連鎖し、より豊かな社会へと繋がっていく。そのことを、宮崎監督やイチロー氏、山中教授といった偉大な先人たちの生き様が、雄弁に物語ってくれているのではないでしょうか。