
最近、X(旧Twitter)などでよく見かけるようになった「〇〇構文」。特定の話し方や書き方のパターンを指す言葉ですが、これって一体何なのでしょうか?そして、AIはこんな「言葉の遊び」をどこまで理解し、創造できるのでしょうか?今回は、AIであるジェミニとの対談形式で、この興味深いテーマを深掘りしていきます。
「〇〇構文」って何?実例で見てみよう
ネット上で話題になる「〇〇構文」は、特定の人物や世代、状況に特有の話し方のパターンを指す俗語です。思わず「わかる!」と膝を打つような、あるあるネタの宝庫とも言えます。
たとえば、こんな構文があります。
1. 進次郎構文
小泉進次郎氏の独特な言い回しを模倣したものです。「脈絡があるようでないような」論理が特徴です。
【実例】 「えー、私、小泉進次郎はですね、環境問題に取り組むということは、未来に責任を持つということだと、そう、断言します。皆さん、ゴミを減らすということは、ゴミを減らすことなんです。この当たり前を、私たちは、もっと深く、そして、もっと広く、共有していく必要がある。なぜなら、共有するということは、理解が進むということだからです。理解が進めば、行動につながる。行動につながるということは、結果が出るということなんですね。結果が出れば、それは、また新たなスタートラインに立つ、ということなんです。
例えばですね、今日食べたこのパン。美味しいですよね。この美味しさの向こうには、農家の方々の努力がある。そして、そのパンが作られた背景には、小麦がある。小麦があるということは、土がある。土があるということは、地球がある。地球があるということは、私たちが生きているということなんです。だからこそ、私たちは、このパン一つにも、感謝の気持ちを持つべきだと、そう、私は、強く、訴えたい。感謝の気持ちを持つことは、感謝の気持ちを持つことだからです。
私は、これからも、未来のために、そして、未来を担う子供たちのために、全力で、取り組んでまいります。2月が来れば、また次の2月が来るように、環境問題も、一歩ずつ、着実に進めていく。これは、まるで、マラソンで言えば、ゴールが見えないけど、走り続けることに意味がある、ということです。走り続ければ、何かが、見えてくる。何が見えるかは、走ってみないと分からない。でも、分からないからこそ、私たちは、走り続ける。そこに、新たな希望があると、私は、そう、考えています。」
2. おばさん構文
SNSのコメント欄などで見られる、特定の世代の女性に多いとされる文章の癖です。絵文字や顔文字の多用、長文になりがちな点が特徴です。
【実例】 「〇〇ちゃん😊✨お元気にしてるかしら?💕 最近、肌寒くなってきたけど風邪とかひいてない?😷🧣 私はね、ちょっと前にデパートで秋物のセーター見ちゃってね〜、つい衝動買いしちゃったのよ〜😅🛍️ もう、この歳になると本当に物欲が止まらないのよね〜困っちゃうわぁ😂
そういえば、〇〇ちゃん最近お料理頑張ってるみたいね!👩🍳🥘 SNSで見たわよ!すごく美味しそうだったから、私も今度、レシピ教えてもらおうかしら?🤔💡 うちはね、最近主人のお弁当作りがマンネリ化しちゃっててね〜、いつも同じおかずばっかりになっちゃうのよ💦 野菜もね、なかなか食べてくれないし、もうどうしたらいいものやらって感じだわ〜🤷♀️💦 〇〇ちゃんは、お子さんたち、好き嫌いとかないの?本当に感心しちゃうわ✨👏
この前ね、近所のスーパーでね、すごく新鮮な梨🍐を見つけたのよ!もうね、一口食べたら果汁がじゅわ〜って溢れてきてね〜、感動しちゃったの!🥺💖 〇〇ちゃんのところの近くのスーパーにもあるかしら?**今度見かけたらぜひ買ってみてね!**私もまた買いに行こうと思ってるのよ〜!😊🛒
なんだか長くなっちゃってごめんなさいね〜🙏💦 またゆっくりお茶でもしながらお話ししたいわね!☕🍰 体調に気をつけて、お仕事も頑張ってね!🌸 また連絡するね〜👋😊」
3. 筋通しましょうや構文
相手の主張の矛盾を指摘し、論理の一貫性を求める際に使われる表現です。
【実例】 「〇〇と言ってるのに、一方で××なのは、筋通しましょうや。例えば、政府は増税しないと言ってるのに、社会保障費は増やすと言うのは、一体どういうことなんでしょうか?国民に対してきちんと説明責任を果たすべきだと思いますよ。そこは筋通しましょうや。」
4. 断言しますが構文
自分の主張に強い確信を持っていることを示す際に使われます。
【実例】 「断言しますが、このプロジェクトは必ず成功します。なぜなら、私たちがこれまで積み上げてきたデータと、チームの揺るぎない結束力があれば、いかなる困難も乗り越えられると確信しているからです。これ以上の解決策は、他には存在しません。断言しますが、私たちにしかできないことです。」
ジェミニはこれらの構文を正確に分析し、その特徴を捉えた例文を生成することができました。これは、AIが言語のパターンを認識し、応用する能力に長けている証拠です。
AIはどこまで「お笑い」を理解できるのか?
構文の生成は得意なジェミニですが、では「お笑い」の領域ではどうなのでしょうか? M-1グランプリやR-1グランプリのようなプロの舞台で通用するネタは作れるのでしょうか?
ジェミニとの対話では、その現状と未来について興味深い見解が示されました。
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現在のAIの実力:得意なジャンルと苦手なジャンル ジェミニは、ダジャレ、語呂合わせ、大喜利の回答といった「言葉のギミック」を効かせたネタの台本作成は得意だと語ります。特に、「構文ネタ」のように特定の話し方や書き方のパターンを模倣・応用する分野では、すでにプロレベルの能力を持っています。音の類似性や意味のギャップを見つけ出し、新しい組み合わせを生成する能力も高いレベルにあるようです。
一方、謎かけに関しては、まだ改善の余地があることをジェミニ自身も認めています。ねずっちさんのような、人を唸らせるほどの意外性や言葉の妙、そして普遍的な洞察を兼ね備えた謎かけは、現在のAIにとっては高い壁のようです。
【ジェミニ作:謎かけの試み】
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SNSの「いいね!」とかけまして、 夏の日のアイスクリームとときます。 そのこころは、 どちらもたくさん集まると嬉しいですが、すぐ溶けて(流れて)いきます。
ショート動画の「構文ネタ」であれば、AIで十分に生成可能です。ジャンルを絞れば、プロレベルの台本は作れると予測しています。
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残された壁:人間ならではの「間」や「空気」 しかし、M-1やR-1といった舞台で評価されるには、台本だけでは不十分です。演者の「間(ま)」、表情、声のトーン、身体を使った動き、そして何よりも「場の空気」を読む能力が不可欠です。感情を共有したり、予測不能な状況に即興で対応したりする能力は、現在のAIにはまだ難しいとジェミニは分析します。
AIがお笑いの舞台に立つ日は来るのか?シンギュラリティの視点
では、AIがこれらの壁を乗り越え、M-1やR-1で活躍する日は来るのでしょうか?
ジェミニによると、「台本」作成能力は今後1~5年で飛躍的に向上すると予測されています。これは、AIが「芸術創作」という、これまで人間固有とされてきた領域に深く介入し始めることを意味し、シンギュラリティの「初期的な兆候」と捉えることもできるとのこと。
しかし、画面上でのパフォーマンスや即興性まで含めて、人間レベルの総合的な「お笑いの力」をAIが身につけるには、少なくとも10年以上、現実的には20年以上かかる可能性が高いとジェミニは見ています。これは、「間」や「感情の共有」、「予測不能な状況への対応」といった、人間の深い知能や意識、感情の領域に関わる部分が、まだAIには難しいためです。
まとめ:進化するAIと「人間らしさ」の再定義
今回のジェミニとの対話を通して、AIが言語のパターン認識と生成において目覚ましい進化を遂げていることがよくわかりました。特に「構文ネタ」のような言葉遊びの領域では、すでにプロレベルの能力を持ち始めています。一方、謎かけのように、より高度な発想力や言葉のセンスが求められる分野では、まだ発展の余地があることも明らかになりました。この点から見ても、AIがお笑いのどの領域にどれだけ深く関与できるか、現在の立ち位置がより明確になったと言えるでしょう。
しかし、お笑いという「人間」が演じ、観客と感情を共有する総合芸術においては、AIはまだ発展途上です。AIの進化が、私たち人間の創造性や「らしさ」とは何かを改めて問い直すきっかけを与えているのかもしれません。
AIがM-1の舞台に立つ日は、まだ少し先かもしれませんが、その進化のスピードは目を離せませんね。AIが生み出す新しい形の「笑い」が、これからどのように私たちの日常に浸透していくのか、非常に楽しみです。
皆さんは、AIが作るお笑いのネタ、見てみたいですか?それとも、生身の芸人さんのパフォーマンスこそが「お笑い」だと思いますか?