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【美容整形】韓国と日本、どっちが安くて人気?芸人もハマる「老い」との戦い最前線

「プチ整形」は、10万円前後のケースも(イメージ)

最近、テレビやネットで「プチ整形を告白した」という芸能人や芸人さんの話題をよく耳にするようになりましたね。先日もナイナイの岡村さんが「あんまり言いたくないんですけど…」と告白されたことがニュースになりました。

一昔前まではタブー視されがちだった美容医療が、なぜここまで身近になったのでしょうか?そして、その進化の裏には、どのような光と影があるのでしょうか?本記事では、具体的なデータや芸人さんの事情、さらには美容医療がもたらす倫理的・心理的な側面まで、多角的に掘り下げていきます。

 

1. 「メスを使わない」がカギ!驚くほど身近になったプチ整形の世界

岡村さんの告白で話題になった「プチ整形」とは、メスを使わずに注射やレーザー、糸などで行われる、比較的体への負担が少ない美容医療の総称です。その手軽さから、美容医療への心理的ハードルは大きく下がりました。

主な施術例と費用感:

施術項目 韓国の費用相場(参考) 日本の費用相場(参考)
二重整形(埋没法) 5万~10万円 5万~30万円
二重整形(切開法) 10万~20万円 20万~40万円
糸リフト 10万~40万円 30万~80万円
ヒアルロン酸注射 5千~3万円(1本あたり) 1万~15万円(1本あたり)
ボトックス注射 1万~3万円(1部位) 2万~10万円(1部位)
脂肪吸引(顔) 10万~20万円 20万~40万円
骨切り(エラ削り) 20万~70万円 80万~140万円

上記のように、特にヒアルロン酸やボトックス注射といった注入治療、そして二重埋没法などは、10万円前後で受けられるケースも増えています。これは、エステや高級コスメにかける費用と比較しても「手の届く範囲」と感じる人が多く、手軽に試せる感覚が広まっている大きな理由です。ダウンタイムも短いため、忙しい現代人でも日常生活に影響を及ぼしにくいのが特徴です。

 

2. なぜ芸人も?「老い」との戦いと加速するセルフプロデュース

芸人は、40代でも「若手」として扱われる(イメージ)

最近、テレビやYouTube、SNSで美容医療を公表する芸人さんが増えていると感じませんか?それは決して気のせいではありません。むしろ、芸人さんの間で美容医療が「流行している」とさえ言える状況が生まれています。

大きな理由の一つが、「老い」との戦いです。現代の芸人界では、キャリアの長期化に伴い、40代でもまだまだ「若手」として扱われることが珍しくありません。常に多くの人の目に触れる彼らにとって、加齢による「疲れ顔」「老けた印象」は致命的になりかねません。

  • 見た目の印象維持: クマ、たるみ、シワは疲労感や不健康な印象を与えがちで、明るくエネルギッシュなパフォーマンスに影響しかねません。

  • 清潔感の重要性: 好感度や仕事の幅にも関わる清潔感の維持のため、肌質改善や表情のケアは重要です。

  • 戦略的なセルフプロデュース: 整形自体を「ネタ」として面白く見せたり、自身のYouTubeチャンネルで施術の過程を公開したりすることで、話題性を生み、新たなファンを獲得することにも繋がります。今田耕司さんをはじめ、宮迫博之さん、おばたのお兄さん、さらば青春の光の森田哲矢さんなど、多くの人気芸人さんが美容医療を公表しており、彼らの成功例を見ることで、「自分も」と考える芸人さんが増えているのでしょう。

このように、美容医療は芸人さんにとって、長く活躍し続けるための戦略的な自己投資となっています。

 


3. 美容大国・韓国と日本の美容医療市場のリアルな比較:意外な共通点と大きな違い

観光ついでに韓国で美容整形(イメージ)

美容医療といえば「韓国」を思い浮かべる方も多いでしょう。「整形大国」と呼ばれる韓国は、確かに世界的に見て突出した存在です。しかし、日本の美容医療市場も決して侮れません。それぞれの市場の実態を具体的な数字と共に見ていきましょう。

韓国:「整形手術」が圧倒的な美容大国

韓国が美容大国と呼ばれる最大の理由は、人口に対する「美容整形手術」の件数の多さにあります。

  • 突出した手術件数: 2021年のデータによると、韓国では人口1,000人当たり8.9件もの美容整形手術が行われています。これは世界で最も多い数字です。総人口(約5,174万人)から計算すると、年間約47万件もの整形手術が韓国国内で行われていることになります。

  • 社会的な受容度: KOSISの調査では、韓国の女性の10人に1人、男性の100人に1人が整形経験者であると報告されています。外見を磨くことは自己管理の一環とされ、就職活動や結婚においてもプラスに評価される文化があるほど、美容整形が社会に深く浸透しています。

  • 激しい競争と専門性: 特にソウルの江南地区には数百件もの美容クリニックがひしめき合い、医師間の競争が非常に激しいのが特徴です。この競争が、技術の向上と価格競争を生み、高品質な施術を比較的リーズナブルな価格で提供できる要因となっています。顎の骨を削る**輪郭形成(骨切り)**など、高度な技術を要する手術においては、世界的にその技術力を評価されています。

日本:「プチ整形」が市場を牽引する拡大トレンド

一方、日本も美容医療市場は急速に拡大しています。韓国とは異なる形で市場が発展しているのが特徴です。

  • 総施術件数の多さ: 日本美容外科学会(JSAPS)の2022年調査によると、日本の美容医療の総施術件数は約197万件にも上ります。これは、前述の韓国の整形手術件数(約47万件)をはるかに上回る数字です。
    • この内訳を見ると、メスを使う「手術」は約26万件なのに対し、メスを使わない「非手術(プチ整形、レーザー治療、注入治療など)」が約171万件と、全体の86.9%を占めています。

  • 「気軽に試せる」文化: 日本では、ヒアルロン酸注射やボトックス注射、レーザーによるシミ取りといった、ダウンタイムが短く、手軽に受けられる「プチ整形」が圧倒的に普及しています。2023年下期調査では、女性全体の1年以内での美容医療利用率は11.9%に達しており、これはまさに「美容医療が身近になった」ことを示す数字と言えるでしょう。

  • クリニック数の増加: 日本全国の美容クリニック数は3,600件以上(2019年時点)と非常に多く、主要都市を中心にさらに増え続けています。患者数の増加に対応するとともに、クリニック間の競争も激化しています。

比較から見えてくること

まとめると、韓国は「メスを使った手術」が社会に深く浸透し、その件数と技術で世界をリードしているのに対し、日本は「メスを使わないプチ整形」が圧倒的に普及し、気軽に美容医療を取り入れる文化が根付いています。人口比で見た「手術経験者」の割合では韓国が高いですが、「何らかの美容医療を受けたことがある人」という広い定義で見れば、日本も非常に多くの人が美容クリニックを利用している実態が見えてきます。

どちらの国も、美容への意識が高く、医療技術も進歩していますが、そのアプローチや社会的な背景には明確な違いがあると言えるでしょう。

 


4. 美容医療の「光と影」:倫理的・心理的側面

美容医療がこれほどまでに身近になり、多くの人に恩恵をもたらす一方で、その「光と影」の部分にも目を向ける必要があります。

光:自己肯定感の向上と多様な選択肢

  • コンプレックスの解消と自信: 長年悩んできた容姿のコンプレックスが解消されることで、自信を取り戻し、社交的になったり、仕事に前向きに取り組めるようになったりするケースは少なくありません。

  • QOL(生活の質)の向上: 見た目の変化が、精神的な満足感や幸福感に繋がり、結果的に生活の質全体が向上することも期待できます。

  • 自分らしい美の追求: 流行に流されるだけでなく、自分自身の「こうなりたい」という理想を追求する手段として、美容医療が選択肢となることもあります。

影:倫理的・心理的課題

しかし、その裏側には、注意すべき側面も潜んでいます。

  • 画一化された美の基準: 特にメディアの影響を受け、特定の「理想の顔」や「トレンド顔」に近づこうとする傾向が強まり、個性が失われ、画一的な美しさが求められるようになる懸念があります。これは、個人の多様な美しさが評価されにくくなる可能性をはらんでいます。

  • 美容整形依存: 施術を繰り返すうちに、過度に自分の容姿に執着し、精神的な満足感が得られなくなる「美容整形依存」に陥るリスクも指摘されています。どんなに施術をしても、さらに完璧を求めてしまう心理状態です。

  • 情報過多と誇大広告: インターネットやSNSには美容医療の情報が溢れていますが、中には不正確な情報や誇大広告も少なくありません。誤った情報に惑わされず、冷静に判断し、正しい知識を得ることが重要です。

  • 「普通」のハードル上昇: 周囲の人が美容医療を受けることで、「自分もやらないと時代遅れ?」「これくらいは普通?」といった感覚に陥り、必要以上に施術を検討してしまう心理的圧力が生まれることもあります。特に若い世代ほど、SNSを通じた比較により、美の基準が過剰に高まってしまう傾向が見られます。

まとめ:賢く利用するために

十分なカウンセリングが大切(イメージ)

美容医療は、個人のコンプレックスを解消し、自信を高める素晴らしい手段となり得ます。しかし、その手軽さゆえに、安易な選択をしてしまうリスクも存在します。

最も重要なのは、「なぜ美容医療を受けたいのか」という自分の内面と向き合い、信頼できるクリニックと経験豊富な医師を慎重に選び、十分なカウンセリングを受けることです。施術のメリットだけでなく、リスクやダウンタイム、費用、そして術後のアフターケアについても納得いくまで説明を受けましょう。

「美」のあり方は多様であり、何をもって美しいと感じるかは人それぞれです。美容医療が、自分らしく、心豊かに生きるための「選択肢の一つ」であり続けるために、私たちはその光と影の両方を理解し、賢く付き合っていく必要があるでしょう。