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【やさしく解説】投資の神様バフェットが「日本の商社株」を選んだワケ。激変した商社の本質とは?

ウォーレン・バフェット氏(イメージ)

「ウォーレン・バフェット」という名前を聞いたことがありますか?彼は「投資の神様」と呼ばれる、世界で最も成功した投資家の一人です。そのバフェット氏が、なんと日本の企業、特に「総合商社」の株を大量に購入し、今も持ち続けているというニュースが世界を驚かせました。

なぜ、あのバフェット氏が、日本の総合商社に目をつけ、しかも手放さないのでしょうか?「商社」って、実は何がスゴイの?そんな疑問に、初心者にも分かりやすくお答えします!

 

そもそも「総合商社」って何をしているの?

総合商社は、世界中でビジネスを生み出し、育てている(イメージ)

「総合商社」と聞くと、「貿易」のイメージが強いかもしれませんね。もちろん貿易も行いますが、今の総合商社は、その名の通り「総合的」なんです。

 

例えば、

  • 世界中からエネルギー資源や食料を調達し、日本に届ける。

  • 新しい技術を持つ海外のベンチャー企業に投資して、一緒にビジネスを立ち上げる。

  • 再生可能エネルギーの発電所を建設・運営する。

  • 健康食品やデジタルサービスなど、私たちの暮らしに関わるあらゆる事業を国内外で展開する。

まさに「カップラーメンからロケットまで」と言われるように、ありとあらゆる分野に事業を持ち、世界中でビジネスを「生み出し、育てている」のが現代の総合商社なんです。

 


バフェット氏が日本の商社株を「手放さない」納得の理由

なぜバフェット氏が、そんな日本の総合商社に魅力を感じたのでしょうか?主な理由は以下の3つです。

  1. めちゃくちゃ「強い体質」になったから! 以前の商社は、石油や鉄鉱石といった「資源ビジネス」の売上が多く、資源の値段が大きく変わると会社の業績も大きく左右されました。しかし、この10年ほどで、食料、生活用品、IT、ヘルスケアなど、資源に頼らない「非資源分野」の事業を大きく強化しました。

    これによって、たとえ資源価格が下がっても、他の分野でしっかり利益を上げられる、倒れにくい「強い体質」になったんです。まさに「安定感バツグン」というわけです。

  2. 株主を「超」大切にするようになったから! 昔の日本企業は「株主への還元(配当を増やすなど)」が控えめだ、と言われることがありました。でも、今の総合商社は違います。「株主の皆さんにも、もっと利益を還元しますよ!」という姿勢を明確に打ち出し、実際に配当を増やしたり、自社の株を買い戻したりしています。

    バフェット氏は、こういった「株主を大事にする」企業を好むので、これは大きな魅力でした。

  3. そもそも「割安」だったから! これだけ優秀なのに、バフェット氏が投資を始めた頃の日本の商社株は、世界の他の企業と比べて「なんだか安く評価されているな」という状況でした。優秀なのに安く買える、というのは投資家にとって最高のチャンスです。バフェット氏は、この「隠れた価値」を見抜いたのです。

    もちろん、彼らが世界中に持つ独自のネットワークや、新しい事業を次々と生み出す「目利き力」も高く評価されています。


「昔のイメージ」とはもう違う!商社の劇的な変化

日本の総合商社は、劇的に変身(イメージ)

「でも、なんで急にそんなに変わったの?」そう思いますよね。ここ10年ほどの間に、日本の総合商社はまさに劇的な「変身」を遂げました。

 

背景には、いくつか大きな要因があります。

  • 日本経済の変革圧力: 「アベノミクス」の中で、日本政府が企業に「もっと稼ぐ力をつけろ!」「もっと株主を大事にしろ!」と強く促しました。特に、企業の経営のあり方を見直す「コーポレートガバナンス改革」は、商社を大きく動かすきっかけになりました。

  • 海外からの「外圧」: 「日本企業はもっと利益を還元すべきだ」という海外の投資家からの声も、商社を変化させる大きな力になりました。

  • 自分たちで変わる「危機感」: 資源価格の急落など、苦しい時期を経験したことで、「このままではいけない、自分たちで変わらなければ生き残れない」という強い危機感を持ち、自ら積極的に改革を進めたのです。

このように、外からのプレッシャーと、自分たちで変わろうとする強い意志が合わさって、総合商社は大きく進化しました。

 


変化を遂げた商社の未来は「有望」なのか?

結論から言うと、非常に有望であると評価されています。

商社は今、以下のような強みを持っています。

  • 安定した収益力: 資源に偏らない多角的な事業で、景気の波に強い。

  • 世界中のネットワーク: どこよりも早く世界のビジネスチャンスを見つけられる。

  • 新しい事業を生み出す力: ベンチャー投資やDX(デジタル変革)で、未来のビジネスを次々と育てている。

  • 社会貢献への意識: 例えば、再生可能エネルギー事業への大規模投資や、食品ロスの削減を目指すサプライチェーン構築など、彼らはビジネスを通じて社会の課題解決にも貢献しています。これは、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する現代において、企業価値を高める重要な要素です。

もちろん、世界経済の変動や予期せぬリスクは常に存在します。しかし、総合商社はこれらのリスクを乗り越え、常に変化に対応し、新しい価値を生み出す能力を磨き続けています。

 


「人材」こそが商社の最大の強み

この劇的な変革を支え、未来を切り開く上で欠かせないのが、他ならぬ「人材」です。

総合商社で働く社員は、まるでビジネスの「プロデューサー」のよう。世界中の「点」と「点」を結びつけ、まだ誰も気づいていない新しいビジネスの「線」を創り出していく。そのスケールの大きさや、世界を股にかけるダイナミズムこそが、商社で働くことの最大の醍醐味かもしれません。

 

彼らは、

  • どんな困難にも立ち向かう「やり抜く力」

  • 異なる文化や価値観を理解し、信頼関係を築く「コミュニケーション能力」

  • 新しい情報を貪欲に吸収し、常に学び続ける「知的好奇心」

といった、人としての総合力が非常に高いとされています。厳しい採用競争(倍率が50倍〜70倍になることも!)を勝ち抜いてきた、まさに選りすぐりの精鋭たちが、世界を舞台に活躍しているのです。

 

まとめ:日本人の「底力」が詰まった総合商社

バフェット氏は、日本の総合商社のポテンシャルを高く評価(イメージ)

今回の総合商社の例は、「日本人は変化に弱い」というイメージを覆す、素晴らしい成功例と言えるでしょう。厳しい状況でも、課題を直視し、学び、粘り強く実行することで、大きな変革を成し遂げられる「底力」が日本人にはあることを示してくれました。

バフェット氏が日本の総合商社株を持ち続けるのは、単に「安かったから」だけではなく、この「底力」と、未来に向けて変化し続けるポテンシャルを高く評価しているからに他なりません。日本の総合商社は、これからも世界経済の中で重要な役割を果たし続けることでしょう。