テレビやSNSで芸能人が「大人が決めたことだから〜」とか、「大人たちの事情で…」なんて言ってるのを聞いたことありませんか? なんだか「へぇ、そうなんだ」と納得しつつも、心の中では「ん? なんだかモヤモヤするな…」と感じたこと、きっとあるはず。
今回は、この芸能人が言う「大人」という言葉の裏に隠された、私たちが感じるモヤモヤの正体を解き明かします!
「大人」って、ただの年齢のことじゃない?
まず、芸能人が言う「大人」は、私たちが普段使う「成人」とか「もういい歳だから」といった年齢の意味合いとはちょっと違います。
例えば、女優の吉高由里子さんが、本の発売日が自身の誕生日と同じだったことに触れて、「や、あれよ? 出版日は大人達が決めたのよ?笑 本当よ?」とお茶目に語っていたことがありました。
この時の「大人たち」って、吉高さんより年上の人全員のことでしょうか? いいえ、違いますよね。
「大人」の正体は「決定権を持つ関係者」や「業界の偉い人たち」
この場合の「大人」が指しているのは、ズバリ「決定権を持つ関係者」や「業界の上の立場の人たち」のこと。出版社で言えば、編集長やプロデューサー、偉い役員さんなどがこれに当たるでしょう。
吉高さんは、この発売日の決定に自分は関わっていない、それは「大人たち」が決めたことなんですよ、とユーモアを交えて説明しているわけです。
なぜ「大人」という言い方がモヤモヤするのか?
しかし、この「大人」という言葉を聞くと、なぜか私たちはスッキリしない、ちょっとした違和感や不快感を覚えることがあります。この「モヤモヤ」は、一体どこから来るのでしょうか?
色々な角度から考えてみると、この言葉が持つある「メッセージ」に、その正体があるように思えてきました。
そのメッセージとは、こんなものです。
「これは私たち(業界内部の人間)の論理で動いていることだから、外の人(一般の皆さん)には理解できないかもしれないけど、そういうものなんだよ」
この「外からは理解できないかもしれない」というニュアンスが、私たちの心に引っかかり、モヤモヤを生み出す原因なんです。
「外からは理解できない」が不快な3つの理由
なぜ、このメッセージが不快なのでしょうか? 主に3つの理由が考えられます。
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「なんか閉鎖的で、仲間外れにされてる?」と感じるから 「私たち内部の論理」と言われると、まるで「部外者は口出し無用」「ここはあなたたちの知らない特殊な世界」と言われているように感じませんか? 現代は、みんなが情報を共有し、オープンなコミュニケーションを求める時代です。そんな中で、壁を作られるような感覚は、私たちに疎外感や不快感を与えます。
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「説明する気がないの?」と不信感を抱くから 「大人の事情だから」「大人たちが決めたこと」と一言で片付けられると、「本当の理由は教えてくれないんだな」「何か隠しているのかな」という不信感が湧いてきます。私たちは、なぜそうなったのか、その背景や理由を知りたいと思うものですよね。それを曖昧な言葉で済まされてしまうと、不誠実だと感じてしまうのです。
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「私たちの常識とは違うの?」と戸惑うから もし「大人たち」が決めたことが、私たちの一般的な社会常識や倫理観からかけ離れている場合、このモヤモヤはさらに大きくなります。「なぜそんな理不尽なことが許されるの?」と感じるのに、「大人たちの都合だから」と言われると、納得がいきませんよね。
まとめ:その「大人」は、私たちを突き放している?
芸能人が使う「大人」という言葉は、単なる年齢のことではありません。その言葉の裏には、「業界の複雑な構造」や「曖昧な責任の所在」、そして「一般社会とは異なる業界内の論理」が隠されていることが多いです。
そして、私たちが感じる「気持ち悪さ」の正体は、その言葉が意図せず発している「部外者お断り」のような閉鎖的なメッセージにあったんですね。
この「大人」という言葉を聞いた時、皆さんもぜひ、その言葉の裏にあるメッセージに耳を傾けてみてください。きっと、これまでとは違う発見があるはずですよ!