
オルカンやS&P500の積立はもう始めた。でも「配当ってどうなの?」「日本の高配当ETF、最近よく聞くけど何がいいの?」と気になっていませんか。
この記事では、新NISAの成長投資枠で使える日本の高配当ETF・投資信託を厳選して紹介します。利回り・信託報酬・純資産総額はすべて2026年2〜3月時点の一次情報に基づいており、仮のデータは一切使用していません。最後には「自分はどれを買えばいいか」がわかります。
1. そもそもなぜ「日本高配当」なのか
一番の理由は、日本企業が変わったからです。
日本の上場企業が株主に配った配当金の総額は、2014年度の約21兆円から2024年度には約49兆円へと10年でほぼ倍増しました(SOMPOインスティチュート・プラス、2025年12月)。背景にあるのは東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営をしてください」という要請(2023年〜)です。これにより多くの日本企業が増配・自社株買いを積極化しており、この流れは2026年以降も続く構造的な変化と見られています。
手取り利回りで見ると、米国高配当ETFより有利なことがある
主要な日本高配当ETFの分配金利回りは現在おおむね3〜4%台で推移しています。米国の代表的な高配当ETF(VYM等)の利回りは2%台半ばで、さらにNISA口座でも米国での現地源泉徴収(約10%)が引かれます。日本の高配当ETFはこの控除がなく、NISAの非課税メリットをそのまま受け取れます。
2.「オルカン積立+日本高配当」の組み合わせ、なぜ両方必要なのか

「オルカンだけじゃダメなの?」「高配当だけじゃダメなの?」という疑問は、初心者がよく感じる正直な疑問です。それぞれの弱点を知ると、組み合わせる理由が腹落ちします。
オルカンだけだと「お金が見えない」
オルカン(全世界株式インデックス)は長期で資産を増やすのに優れた商品です。ただし分配金がほぼゼロなので、保有し続けている間、お金は一切手元に来ません。たとえば100万円をオルカンで運用しても、売るまでは1円も受け取れない。
相場が大きく下がったとき(リーマンショック時は最大60%下落)、資産残高がどんどん減っていく画面だけを見つめながら「持ち続ける」のは、言葉で言うほど簡単ではありません。このとき「配当だけは入ってくる」という体験が、精神的な支えになります。
高配当だけだと「元本が育ちにくい」
日本高配当ETFは年3〜4%の配当を出す分、その収益は株価の上昇ではなく配当として外に出ていきます。過去の実績で見ると、配当込みのトータルリターンでは全世界株式インデックスに長期で劣後しやすい傾向があります。「高配当ETFだけで老後資産を作ろう」とすると、元本の成長スピードが足りなくなるリスクがあります。
組み合わせると「育てながら受け取れる」
つみたて投資枠でオルカンを積み立てながら、成長投資枠の一部に日本高配当ETFを持つのが定番の理由はここにあります。
- オルカン:長期で元本を複利で増やす役割
- 日本高配当ETF:保有中に配当が年4回入り、精神的な安定感と再投資の原資になる役割
どちらか一方ではなく、目的を分けて両方持つ。それだけのことですが、長期投資を「続けられる」設計にする上でとても重要な考え方です。
3. 買う前に必ず確認する1つの設定

商品紹介の前に、これを知らないとせっかくのNISAなのに配当に税金が取られます。
NISAで保有するETF・株の配当を非課税で受け取るには、証券会社の設定で「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。初期設定が別の方式(銀行口座受取など)になっている場合、NISA保有でも配当に20.315%課税されます。SBI証券・楽天証券・マネックス証券すべてで設定変更が可能です。口座開設後に必ず確認してください。これだけで手取り配当金が約20%変わります。
4. おすすめ5選
以下のデータは2026年2〜3月時点の各運用会社公式情報をもとにしています。利回りは日々変動するため、購入前に公式サイトで必ず最新情報を確認してください。
① NF・日経高配当50 ETF(コード:1489)
「迷ったらこれ」の定番・純資産5,150億円の最大規模
日経平均の約225銘柄の中から予想配当利回りの高い50銘柄に投資するETFです。組み入れ上位は商社・銀行・通信・エネルギー・素材などのバリュー系大型株が中心です。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 連動指数 | 日経平均高配当株50指数 |
| 信託報酬 | 年0.308%(税込) |
| 分配金利回り | 3.19%(2026年2月26日基準・過去1年実績、野村公式) |
| 過去5年平均分配金利回り | 約3.9%(野村公式) |
| 純資産総額 | 5,150億円(2026年1月末、野村公式) |
| 決算 | 年4回(毎年1・4・7・10月7日) |
| 上場 | 2017年2月 |
| NISA | 成長投資枠 対象 |
2017年上場で国内高配当ETF中、最大の純資産規模。売買のしやすさは群を抜いています。信託報酬は0.308%と後発ETFよりやや高いですが、流動性・運用実績・安心感のすべてで国内トップです。
こんな人に: 初めて高配当ETFを買う人、流動性・実績を最優先する人
② 上場日経高配当50(コード:399A)
「1489と同じ指数・信託報酬は約半分」の2025年注目新銘柄
①の1489と**まったく同じ「日経平均高配当株50指数」**に連動しながら、信託報酬を0.165%に抑えた2025年7月24日上場のETFです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 運用会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント(旧:日興アセット) |
| 連動指数 | 日経平均高配当株50指数(1489と同じ指数) |
| 信託報酬 | 年0.165%(税込)以内(1489の約半分) |
| 分配金利回り | 上場後1年未満のため実績利回り非表示(2026年3月時点)。参考:連動指数の配当利回りは約4.11%(2025年5月末時点、アモーヴァ公式) |
| 純資産総額 | 約443億円(2026年2月時点) |
| 決算 | 年2回(毎年4・10月4日) |
| 上場 | 2025年7月24日 |
| NISA | 成長投資枠 対象 |
長期保有ほどコスト差が複利で効いてくるため、信託報酬0.165%は非常に魅力的です。ただし上場から約7ヶ月(2026年3月時点)と運用歴が短く、分配金の実績は1回分(2025年10月、1口あたり26円)のみ。純資産443億円は1489の約1/11で流動性にも差があります。
こんな人に: 長期でコストを最小化したい人、今後の成長に賭けたい中長期投資家
③ iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(コード:1478)
「利回りより配当の安定性」を重視した設計
世界最大級の運用会社ブラックロックが運用。配当利回りの高さだけでなく、配当継続性・財務健全性(ROE・負債比率・収益の変動性)も評価して銘柄を選定し、財務的に脆弱な銘柄を排除する仕組みが特徴です。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 運用会社 | ブラックロック・ジャパン |
| 連動指数 | MSCIジャパン高配当利回り指数 |
| 信託報酬 | 年0.209%(税込) |
| 分配金利回り | 2.12%(2026年2月26日基準・過去12ヶ月実績、ブラックロック公式) |
| 決算 | 年2回(毎年2・8月9日) |
| 上場 | 2015年10月 |
| NISA | 成長投資枠 対象 |
利回りは他の4銘柄と比べて低めですが、財務健全性を重視した銘柄設計により「利回りは高いが財務が脆い銘柄」を除外しています。1489や1698と組み合わせてポートフォリオ全体の安定性を高める使い方も有効です。
こんな人に: 配当の安定性・継続性を重視する人、ポートフォリオに安定要素を加えたい人
④ 上場インデックスファンド日本高配当(コード:1698)
「年4回配当・J-REIT入り・少額から」のオールラウンダー
日本株約90銘柄+J-REIT(不動産投資信託:不動産に投資して賃料収入などを分配する仕組み)約10銘柄の「東証配当フォーカス100指数」に連動。株式とは異なる値動きをするJ-REITを組み入れることで分散効果と分配金の平準化を図っています。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 運用会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント(旧:日興アセット) |
| 連動指数 | 東証配当フォーカス100指数 |
| 信託報酬 | 年0.308%(税込) |
| 分配金利回り | 2.93%(2026年2月時点・直近12ヶ月実績) |
| 純資産総額 | 約547億円(2026年2月26日時点) |
| 決算 | 年4回(毎年1・4・7・10月) |
| 最低投資額 | 約4,278円(2026年2月27日終値ベース) |
| 上場 | 2010年5月(16年の運用実績) |
| NISA | 成長投資枠 対象 |
2010年上場で5銘柄の中で最も長い運用実績。年4回の定期的なキャッシュフローと、J-REITによる分散が特徴です。
こんな人に: 年4回の定期的な分配金を重視する人、不動産含む分散をしたい人、少額から始めたい人
⑤ SBI日本高配当株式ファンド(年4回決算型)
「100円から・信託報酬0.099%・金額積立対応」
ETFではなく投資信託のため、100円から金額指定で積立できます。信託報酬0.099%は5銘柄中最低で、アクティブファンドとしても異例の低コストです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 運用会社 | SBIアセットマネジメント |
| 運用方針 | アクティブ運用(指数非連動) |
| 信託報酬 | 年0.099%(税込) |
| 分配金実績 | 原則1口あたり140円/回(第7回のみ130円)。年4回合計で約4.7%前後の分配金利回り水準(設定来実績、2026年1月時点) |
| 純資産総額 | 約1,838億円(2026年2月24日時点、投信協会) |
| 決算 | 年4回(1・4・7・10月) |
| 設定日 | 2023年12月12日 |
| 販売会社 | SBI証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券 |
| 最低投資額 | 100円 |
| NISA | 成長投資枠のみ(つみたて投資枠は対象外) |
設定から約2年で純資産が約1,838億円に拡大し、個人投資家の支持の高さが数字に表れています。月次レポートで分配金が「普通分配金(収益から)」か「特別分配金(元本を取り崩したもの)」かを毎回確認する習慣が重要です。また楽天証券では購入できません。
こんな人に: SBI証券・マネックス証券ユーザー、毎月積立したい人、コスト最優先の人
5. 比較早見表
| コード | 特徴 | 信託報酬 | 直近利回り実績 | 決算/年 | 純資産 | 最低投資額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1489 | 定番・最大規模 | 0.308% | 3.19%(26/2/26基準) | 4回 | 5,150億円 | 約3,000円〜 |
| 399A | 同指数・低コスト | 0.165% | 実績1回のみ(指数ベース約4.11%) | 2回 | 約443億円 | 約2,000円〜 |
| 1478 | 安定性重視 | 0.209% | 2.12%(26/2/26基準) | 2回 | 非開示 | 約5,000円〜 |
| 1698 | J-REIT入り・年4回 | 0.308% | 2.93%(26/2時点) | 4回 | 約547億円 | 約4,278円 |
| SBI日本高配当 | 積立向け・超低コスト | 0.099% | 年4.7%前後(設定来実績) | 4回 | 約1,838億円 | 100円〜 |
※すべて過去実績。購入前に各社公式サイトで最新数値を確認してください。
6. タイプ別:自分はどれを買えばいい?

「とにかく迷いたくない、1本だけ選ぶ」→ 1489 実績・純資産・流動性のすべてでトップ。成長投資枠でこれを持ちながらつみたて投資枠でオルカンを続けるのが最もシンプルな構成です。
「SBI証券で100円から積立したい」→ SBI日本高配当株式ファンド ETFを買う資金が今はまとまっていない人、積立習慣をつけたい人に最適。資金が増えたらETFへ移行するのも手です。
「コストを長期で最小化したい」→ 399Aを様子見しつつ、まず1489から始める 399Aの流動性が育ったと判断したタイミングで移行する戦略。NISAでの乗り換えは投資枠を消費する点に注意。
「配当を年4回・定期的に受け取りたい」→ 1698またはSBI日本高配当株式ファンド どちらも1・4・7・10月に決算。J-REITも含めた分散を重視するなら1698、積立のしやすさを優先するならSBI日本高配当株式ファンド。
「配当の安定性を最重視したい」→ 1478を他と組み合わせる 単体では利回りが低いですが、財務健全性を重視した設計で減配リスクに強みがあります。1489や1698と組み合わせるのが定番です。
7. 今日やること
- 証券会社の設定で「株式数比例配分方式」を確認・変更する
- 上記タイプ別を参考に1〜2本に絞る
- まずは少額(1〜3万円)のスポット購入か月1,000円の積立から始める
「完璧な1本を探してから買う」より、「小さく始めて慣れる」ほうが長続きします。配当が年4回入ってくる体験が、相場の下落局面でも保有を続ける力になります。
本記事のデータは2026年2〜3月時点の各運用会社・東証・投信協会の公式一次情報に基づいています。利回り・純資産総額・信託報酬は変動します。購入前に必ず各運用会社の公式サイトおよび交付目論見書をご確認ください。本記事は特定の商品の購入を勧誘するものではありません。