はじめに
日本企業はここ数年、配当や自社株買いを通じて株主還元に積極的になっています。配当総額や総還元性向が大きく拡大し、長期金利より株式配当利回りが上回る環境が続く中で、安定的なインカム収入源として高配当株への注目が高まっています。
一方で、少額から分散投資できるETFの存在は、コストを抑えつつ複数社への投資を可能にし、投資初心者から上級者まで活用しやすいメリットがあります。さらに新NISAの成長投資枠ではETFが非課税対象となったことで、配当収益を最大限に享受できる仕組みが整いました。
こうした背景から、今回は日本の高配当株インデックスをベンチマークとするETFの中から、特におすすめの4銘柄をピックアップし、選び方のポイントとともにご紹介します。
新NISAで買える代表的ETF4選
順位 | 銘柄(コード) | 信託報酬(税込) | 分配利回り | 純資産総額 | 特徴 |
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1位 | 1489 NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 | 0.308% | 約4.1% | 約3,200億円 | 大型高配当株50社、低コスト、高流動性 |
2位 | 1399 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ | 0.385% | 約3.2% | 約70億円 | 高配当×低ボラティリティ戦略 |
3位 | 1698 上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) | 0.308% | 約3.1% | 約430億円 | 株式+REITの多様化ポートフォリオ |
4位 | 2085 MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信 | 0.4125% | 約4.3% | 約80億円 | アクティブ運用による上乗せ狙い |
銘柄詳細
1位 1489:NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信
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ベンチマーク:日経平均高配当株50指数
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特徴:大手資産運用会社が運用する大型ETF。50社に分散しながら年4回の分配を実施し、高い流動性で売買しやすい。
2位 1399:上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ
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ベンチマーク:MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数
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特徴:リスク管理に重点を置き、ボラティリティを抑えつつも高配当を追求する設計。
3位 1698:上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)
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ベンチマーク:東証配当フォーカス100指数
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特徴:株式90銘柄とREIT10銘柄で構成。年2回リバランスにより時価総額と配当利回りのバランスを最適化。
4位 2085:MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信
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運用スタイル:アクティブ運用
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特徴:配当利回りが高い銘柄を運用者が選定し、利回りの上乗せを狙う。
選び方のポイント
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信託報酬:長期保有ほど運用コストが収益に影響するため、低コストなものを優先。
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分配利回り:安定的な利回りを重視するか、より高い利回りを狙うかで選択。
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流動性・規模:流動性が高いほど取引コスト(スプレッド)が低く、純資産規模が大きいほど運用の安定性が増す。
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運用スタイル:市場平均に連動するインデックス型か、運用者の裁量で上振れを狙うアクティブ型か、自分の投資方針に合わせる。
まとめ
近年の日本企業は、増配や自社株買いを通じて株主還元を強化しており、配当と自社株買いを合わせた総還元性向は上昇傾向にあります。その結果、株式配当利回りが長期金利を上回る環境が継続し、安定したインカム収入の源泉として高配当株の魅力が高まっています。
ETFを活用すれば少額から幅広い銘柄に分散投資でき、新NISAの非課税枠を利用することで実質的な利回りを最大化できます。今回ご紹介した4銘柄は、いずれも異なる特色を持つため、ご自身のリスク許容度や投資目的に合わせて組み合わせることで、効率的かつ安定的な高配当戦略を実現できるでしょう。