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【カルロス・トシキがブラジルで成功】芸能界からビジネス界へ、確かな足跡を刻む成功者たち ~小嶋陽菜、田中義剛、保阪尚希の軌跡~

「Her lip to」を成功させた小嶋陽菜

 

エンターテイメントの世界で脚光を浴びたスターたちが、その才能と情熱をビジネスの世界へと注ぎ込み、新たな成功物語を紡いでいる例は少なくありません。彼らは、かつてステージや画面を通して私たちを魅了したように、今度は独創的なアイデアや確かな経営手腕で、社会にインパクトを与えています。

芸能界とビジネス界。一見異なるフィールドですが、人々の心を掴む力、時代の流れを読む洞察力、そして目標達成への強いコミットメントといった共通項も多く存在します。元々の知名度や人脈を活かしつつも、それだけに頼らず、専門知識を学び、地道な努力を重ねて事業を軌道に乗せる。そのプロセスは、多くのビジネスパーソンにとっても示唆に富むものです。

今回は、「実業家として成功した芸能人」の中から、特に注目すべき方々を取り上げ、彼らの挑戦と成果に迫ります。

  • カルロス・トシキ:80年代の音楽シーンを彩ったボーカリストが、ブラジルで有機ニンニク栽培に取り組み、品質で評価される農園経営者に。
  • 小嶋陽菜:国民的アイドルグループAKB48の中心メンバーから、年商数十億円規模のD2Cブランド「Her lip to」を成功させた起業家へ。
  • 田中義剛:タレント活動と並行して北海道・十勝で「花畑牧場」を設立。生キャラメルブームを経て、チーズやホエー豚など多様な食品事業を展開。
  • 保阪尚希:人気俳優としてのキャリアの後、自身の経験を活かした通販事業で大成功。健康・調理器具のヒットメーカーに。

彼らはどのようにしてセカンドキャリアを切り開き、ビジネスの世界で確固たる地位を築き上げたのでしょうか? その具体的な事業内容や成果を詳しく見ていきましょう。

1. カルロス・トシキ:ブラジルの大地に根ざした、品質重視のニンニク栽培

1986年、「君は1000%」の鮮烈なデビューで音楽シーンに登場した「1986オメガトライブ」。その後「カルロス・トシキ&オメガトライブ」として、「Super Chance」「アクアマリンのままでいて」など数々のヒット曲を生み出したボーカリストカルロス・トシキ氏。日系ブラジル人三世である彼は、その甘い歌声と洗練されたサウンドで、80年代後半の日本の音楽シーンを象徴する存在でした。

1991年のグループ解散、ソロ活動を経て、1995年に芸能活動を休止し、故郷ブラジルへ帰国。そこで彼が選んだ道は、音楽とは全く異なる農業、特にニンニク栽培でした。知人の誘いをきっかけに始めた農業は、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、彼は持ち前の探求心と粘り強さで、高品質なニンニク作りに没頭します。

特筆すべきは、有機栽培へのこだわりです。独学で知識を深め、土壌作りから丁寧に行い、化学肥料や農薬に頼らない栽培方法を実践。ブラジルの気候風土に適した品種を選び、試行錯誤を重ねる中で、特に紫ニンニクなどの高品質な品種の栽培技術を確立しました。

彼の作るニンニクは、その品質の高さからブラジル国内で評価を得るようになり、事業として安定した基盤を築くに至りました。具体的な生産量や売上高に関する公式なデータは限定的ですが、一時期は大規模な農園を経営し、ブラジル国内市場で確かな地位を築いていたことが伝えられています。自身の名前の一部を冠したブランド名で出荷していた時期もありました。

2010年代後半からは、日本での音楽活動を再開。ソロライブやオメガトライブの再結成プロジェクトなどで、再び日本のファンの前に姿を見せています。音楽活動と並行して、ブラジルでの農業経験で培った知見を活かした活動も模索しているようです。

カルロス・トシキ氏の歩みは、華やかな芸能界から一転、異国の地で農業という新たな分野に真摯に取り組み、品質で勝負する事業を築き上げた、実直な努力の物語と言えるでしょう。

2. 小嶋陽菜:ファンと共に創り上げる、年商数十億円のライフスタイルブランド

2005年の結成当初からAKB48の中心メンバー「神7」としてグループを牽引し、その類まれなる美貌とファッションセンスで同性からも絶大な支持を集めた小嶋陽菜さん。2017年の卒業後、彼女が次なるステージとして選んだのは、自身の世界観を表現するライフスタイルブランドの立ち上げでした。

2018年、株式会社heart relationを設立し、自身が企画・プロデュースを手掛けるブランド「Her lip to(ハーリップトゥ)」をローンチ。「日常にドラマティックな瞬間を」というコンセプトの下、彼女自身のこだわりが細部にまで反映されたアパレルアイテムは、オンラインストアを中心に展開されました。

「Her lip to」の成功を語る上で欠かせないのが、小嶋さん自身の圧倒的な発信力と、ファンとの強固な繋がりです。2025年4月現在、300万人以上のフォロワーを持つ自身のInstagramアカウント(@nyanchan22)などを通じて、ブランドの世界観や商品への想いをダイレクトに発信。これがファンの共感を呼び、熱量の高いコミュニティを形成しています。オンラインストアを主体とするD2C(Direct to Consumer)モデルは、こうしたファンとのダイレクトな関係性によって、大きな推進力を得ました。

ブランドは急速に成長し、運営会社である株式会社heart relationは、創業からわずか数年で著しい業績を達成。複数のメディア報道によると、2022年頃には年間物販売上高が20億円規模に達したとされています。近年では、具体的な売上高の公表は控えているものの、事業は順調に拡大を続けている模様です。

その展開はアパレルに留まらず、ビューティーライン「Her lip to BEAUTY」、ランジェリーブランド「ROSIER by Her lip to」、そしてブランドの世界観を体現するコンセプトストア「House of Herme(ハウス オブ エルメ)」(東京・表参道)の運営など、ライフスタイル全般へと広がっています。2023年には、より幅広い層に向けた新ブランド「Her lip to HOME」を発表するなど、その勢いはとどまるところを知りません。

小嶋陽菜さんの成功は、単なるタレントパワーに依存したものではなく、緻密なブランディング戦略、顧客ニーズを的確に捉えた商品開発力、そしてSNSを駆使したコミュニティマーケティングが見事に結実した結果です。彼女は、現代のD2Cビジネスにおける成功モデルを体現する起業家として、ファッション・ビューティー業界で確固たる地位を築いています。

3. 田中義剛:十勝の大地から、多様な「食」を発信する開拓者

田中義剛さんは、タレントとして活躍する傍ら、1994年に北海道・十勝地方で「花畑牧場」を設立しました。「自分が本当に食べたいものを作る」という純粋な想いから始まったこの挑戦は、やがて日本の食文化に大きな影響を与えることになります。

花畑牧場の名を全国に轟かせたのは、2007年頃から始まった「生キャラメル」の大ブームです。田中さん自身が開発に関与し、地元の素材にこだわって作られた生キャラメルは、そのとろけるような食感と濃厚な味わいで、瞬く間に大ヒット商品となりました。テレビ番組での紹介をきっかけに人気が爆発し、新千歳空港の店舗には連日行列ができるなど、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。このブームにより、花畑牧場の売上は飛躍的に増大しました。

しかし、田中さんはブームの一過性に甘んじることなく、その成功を足がかりに、事業の多角化と品質向上に邁進します。

  • 自家製チーズへの注力:カチョカヴァロ、ラクレット、モッツァレラなど、多種多様なナチュラルチーズの製造に力を入れています。国内外のチーズコンテストで数々の受賞歴があり、その品質は高く評価されています。特に、ラクレットチーズは、レストランや家庭で楽しまれる人気商品となっています。2022年には、フランスで開催された国際チーズコンクール「モンディアル・デュ・フロマージュ」でスーパーゴールド(最高賞)を受賞するなど、国際的な評価も確立しています。
  • ホエー(ホエイ)豚の生産・加工:チーズ製造時に出るホエー(乳清)を飼料として育てたブランド豚「ホエー豚」を生産。ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工品も製造・販売しています。
  • 幅広い商品展開:チーズや豚肉加工品のほか、カタラーナ、ガトーショコラなどのスイーツ、ポップコーン、ピザ、レトルト食品(カレー、パスタソースなど)まで、商品のラインナップは多岐にわたります。
  • 飲食・物販事業:十勝の牧場本店には、レストラン、カフェ、ショップが併設され、観光スポットとしても人気です。また、全国の主要都市や空港にも直営店や販売コーナーを展開しています。
  • 海外展開ベトナムに牧場を開設するなど、海外での事業展開も進めています。

生キャラメルブーム以降も、田中義剛さんは常に新しい挑戦を続け、花畑牧場を北海道を代表する食品企業へと成長させました。その開拓者精神商品開発力、そして地域(十勝)への貢献は、多くの人々に影響を与えています。近年の業績に関する詳細な数字は公表されていませんが、多様な商品を展開し、安定した経営を続けていることがうかがえます。

4. 保阪尚希:自身の経験を力に、通販市場を切り拓くヒットメーカー

1990年代に数々の人気ドラマに出演し、俳優として確固たる地位を築いていた保阪尚希さん。しかし、2000年に内臓破裂という大病を経験し、生死の境をさまよいました。この過酷な体験は、彼の人生観を大きく変え、健康と食に対する深い関心を持つきっかけとなりました。

療養を経て、自身の経験とそこで得た知識を活かす道を模索し始めた保阪さん。その才能が開花したのが、通販の世界でした。当初は通販番組のゲストとして出演していましたが、次第に商品の企画・開発段階から関与するようになり、通販コンサルタントとしての道を歩み始めます。

彼の名を一躍有名にしたのは、電子レンジ用調理器具「ラ・クッカー」です。「簡単・ヘルシー・美味しい」をコンセプトに、自身の食へのこだわりを詰め込んで開発されたこの商品は、通販番組で紹介されると記録的な売上を達成。一説には、1日で1億円以上を売り上げたとも言われ、通販業界に衝撃を与えました。

その後も、肩甲骨周りのストレッチをサポートする器具「ストレッチハーツ」や、その振動機能付きモデル「ストレッチターボ」など、自身の健康理論に基づいた商品を次々とプロデュース。これらも軒並み大ヒット商品となり、累計販売数は数百万個に達しています。

保阪尚希さんがプロデュースする商品は、単に機能性が高いだけでなく、彼自身の実体験に基づいた説得力のあるプレゼンテーションによって、その魅力が最大限に引き出されます。俳優として培った表現力と、自身の言葉で商品の価値を伝える熱意が、多くの視聴者の心を掴み、購買へと繋がっているのです。

現在、彼の通販コンサルティング会社は、年間の取扱高が数十億円規模に上るとされ、通販業界において大きな成功を収めています。保阪尚希さんは、自らの逆境をバネに、新たな市場で独自の地位を確立した、まさにヒットメーカーと言えるでしょう。

確かな成功の基盤:共通する要素とは

今回取り上げた方々の歩みは多岐にわたりますが、その成功の背景には、いくつかの共通する要素が見出せます。

  1. 明確なビジョンと情熱:自らが「何をしたいか」「何を提供したいか」という強い想いが、事業の核となっている。
  2. 専門性の追求:異分野であっても、その道のプロとなるべく知識や技術を習得し、品質を追求する姿勢。
  3. 顧客視点:ファンや顧客が何を求めているかを理解し、それに応えようとする真摯な態度。
  4. 自己発信力・表現力:自身の言葉や体験を通して、商品やサービスの魅力を効果的に伝える能力。
  5. 挑戦と継続:失敗や困難を乗り越え、諦めずに事業を継続し、発展させようとする粘り強さ。

芸能界での成功体験や知名度は、確かに事業のスタートダッシュにおいて有利に働く側面はあります。しかし、それだけで長期的な成功が約束されるわけではありません。彼らがビジネスの世界で確かな足跡を残せているのは、上記のような普遍的な成功要因を、それぞれの形で体現しているからに他なりません。

まとめ:多様なキャリアパスが示す可能性

カルロス・トシキ氏の農業、小嶋陽菜さんのファッションブランド、田中義剛さんの食品事業、保阪尚希さんの通販コンサルティング。彼らの物語は、芸能界からの転身という枠を超え、多様なキャリアパスの可能性を示しています。

彼らの挑戦から学べるのは、情熱を傾けられる対象を見つけ、真摯に向き合い、努力を続けることの重要性です。どの分野であっても、確かな価値を提供しようとする姿勢こそが、成功への道を切り拓く鍵となるのでしょう。

彼らの今後のさらなる活躍、そして、彼らに続く新たな才能の登場に、引き続き注目していきたいと思います。