2024年の平均月給が33万400円と発表され、過去最高を記録しました。同時に、男女の賃金格差も過去最少となり、日本の労働市場における変化が注目されています。本記事では、特に給料が伸びた業界の動向と、日本の男女格差縮小のペースが世界と比べてどのような位置にあるのかを深掘りしていきます。
給料が伸びた業界の動向
2024年の賃上げは、特定の業界において特に顕著でした。以下、代表的な業界を見ていきます。
1. IT業界
デジタル化の加速により、ITエンジニアやデータサイエンティストなどの専門職の需要が高まりました。特に、
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AI(人工知能)開発
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サイバーセキュリティ
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クラウドコンピューティング といった分野での求人が増え、給与水準も大きく向上しました。
リモートワークの普及もあり、地方在住のエンジニアでも都市部並みの報酬を得られるケースが増えています。企業は優秀な人材を確保するために、報酬体系の見直しを進めています。
2. 製造業
半導体不足の解消や、国内製造回帰の流れを受けて、製造業も賃金が上昇しました。特に、
円安の影響で輸出企業の収益が向上し、従業員の待遇改善に回せる余裕ができたことも要因の一つです。
3. 建設業
建設業界では、インフラ整備や都市開発プロジェクトの増加に伴い、人材確保が急務となっています。特に、
また、人手不足を補うために、外国人労働者の採用も進んでおり、労働環境の改善が求められています。
日本の男女賃金格差、世界と比べてどうなのか?
日本の男女賃金格差は縮小傾向にありますが、依然として国際的に見ると大きな開きがあります。
世界と比較した日本の賃金格差
経済協力開発機構(OECD)のデータによると、2023年時点での日本の男女賃金格差(男性の賃金を100とした場合の女性の賃金割合)は約77%でした。これはOECD加盟国の平均(約88%)を下回る数値です。
例えば、
一方、日本と同じく伝統的な性別役割分担の文化が根強い韓国では、女性の賃金は男性の約69%と、日本よりも格差が大きい状況です。
なぜ日本の男女格差はまだ大きいのか?
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管理職比率の低さ:日本の企業では、女性管理職の割合が依然として低く、賃金格差の大きな要因となっています。
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育児・介護の負担:育児や介護の負担が女性に偏りがちで、キャリアの中断や短時間勤務を選択せざるを得ない状況がある。
今後の展望
近年、政府や企業が進める女性活躍推進策が功を奏し、
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管理職登用の推進
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育児休暇制度の拡充
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同一労働同一賃金の強化 といった動きが加速しています。
この流れが継続すれば、日本の男女賃金格差はさらに縮小する可能性がありますが、欧米諸国と比べると、まだ時間がかかると考えられます。
まとめ
2024年の平均月給は33万400円と過去最高を記録し、特にIT、製造業、建設業での賃上げが顕著でした。一方で、男女賃金格差は縮小しているものの、依然としてOECD諸国の平均よりも大きく、さらなる改善が求められています。
今後の課題として、
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高賃金業界への女性進出の促進
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管理職への女性登用の強化
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働き方改革によるワークライフバランスの向上 が挙げられます。
日本の賃金事情は徐々に改善していますが、世界基準で見るとまだ発展途上の部分も多く、今後の動向に注目が集まります。